リンク切れを起こさないための保険

ほとんどのレンタルサーバーで、無料で提供されているサブドメイン
このサブドメインを利用してサイトを開設すると、基本的に他所のレンタルサーバーに引っ越すことは出来なくなります。 もし引っ越しを迫られたら、こんな感じになるでしょう。

  • URLが変更されることを古いサーバーのサイトでアナウンスし、新しく契約したサーバーに飛ぶようにする。
  • ユーザーがブックマークに登録している場合は、URLを変更してもらう。
  • Google などのキャッシュが新しいアドレスに置き換わるまで、しばらく2社のレンタルサーバーを契約しておき、頃合いを見て古いレンタルサーバーとの契約を終了する。
  • サイトにリンクしている他所のサイトは、相手が気付くか、こちらが知らせるまでURLは古いままとなる。知らせたとしても手間のかかる更新作業をしてもらえるとは限らない。
  • もちろん、サイトの被リンク数が多ければ多いほど、修正すべきリンクの数は増える。
  • 修正から漏れたデッドリンクを踏んだユーザーは Not Found を拝むことになる。

独自ドメインを使っているなら、こういった問題は起きません。
私は今まで、独自ドメインというのはよほどページビューの多いサイトが、覚えやすいアドレスを提供するために取得するものだという程度の認識でしたが、携帯電話の番号ポータビリティのようにサイトの置かれている場所とアドレスを切り離すことが出来るのが最も大事な点だということにいまさら気付きました。

独自ドメインは欲しいが、別に .com とか .jp でなくてもどうでもいい、という方には .tk ドメインをおすすめします。
このドメインは3ヶ月間に25以上のアクセスがなければドメインが無効になる、という以外には特に制限がなく、無料で取得できます。

追記:こういう制限はあります。 id:m_kawanon:20111007:1317944981

.tk ドメインは大丈夫なのか?

ただこの.tkドメインも、10年や20年先までの保証があるのかはよくわかりません。
もし無料サービスが終了した場合でもドメインを買い取ることは出来るだろうと思いますが、.tkドメインの主であるトケラウ諸島が人口1466人しか居なくて、「ニュージーランドとの自由連合国へ移行する是非を問う住民投票」が何度も行われていたり*1、さらに21世紀中に海面上昇で水没すると言われているので、ドメインというより国自体がなくなりそうな感じがするのですが、その時に取得したドメインがどうなるかは私も知りません。ICANN の意向としては、国が無くなった場合はその ccTLD も廃止するようです。今までに .yu .dd .zr などの廃止が決定されています。

アメリカCIAが調査したところ、トケラウは世界で一番経済の小さな国で、GDPの10%以上を.tk ccTLDで稼いでいるそうです。

自分のサイトで使うには

すでにサイトを開設していて、Google にキャッシュもされているが、これからは独自ドメインでアクセスしてもらいたいという場合には Apachemod_rewrite の機能が有効です。
私のサイトでは以下のように .htaccess に記述しています。

RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www\.)?(mokuzu\.sakura\.ne\.jp)(:80)? [NC]
RewriteRule ^(.*)$ http://mkzu.tk/$1 [R=301,L,NE]

RewriteRule に NE (noescape) が無いと、Wiki などクエリに % が含まれる場合に %25 に変換されてしまい、正常にアクセスできないので注意してください。
私の場合では AllowEncodedSlashes など他の設定は特に必要ありませんでした。

*1:自由連合とは外交や防衛などの権限を他国に委ねることで、国の独立性を否定するものではないようです。例えば .nu を割り当てられているニウエもニュージーランドとこの関係にあります。